●ポケットモンスター トップ サン カードガム 解説②
こちらのトップサンのポケモンカードは、8〜10年ほど前まで、中古ホビーショップなどで旧裏カード同じく、ほぼゴミの様な扱いを受けておりました。カード100枚のまとめ売りの中に無造作にまとめられ、叩き売られていました。もっとひどい時は、ポケモンカードのまとめ売りの”かさ増し”の一部に使われていたりと、散々な扱いでした。こちらのトップサンカードを取り巻く環境に変化が起きたのは、2015〜16年あたりであると思います。
それまで細々と旧裏の収集を、ごく一部の方々がされていたのに対し、この年あたりから旧裏を収集されるコレクターが目に見えて増えてきた感じがします。この時期にトップサンのカードもじわじわと値段がついてきました。とは言え、今の様な取引価格とは程遠く、1万円ほどの予算で大量のカードを手に入れる事ができました。今ではとても考えられないです。
本格的にこちらのカードの人気に火がついたのは、ここ2.3年の間であると思います。特に海外のコレクターから最古のポケモンカードとして認知され、収集家の目に留まり始めた事が1番の要因かもしれないです。しかし、こちらのトップサンのポケモンカードが最古のポケモンカードではないと私は考えております。
理由として、「プリズムシールに採用されているイラストが全て2期のイラスト」である為です。このプリズムシールに採用されたイラストは、ゲームボーイのブルーバージョンが発売された際に、新規で書き起こされた公式イラストとなります。
(左のカードの公式絵が1期イラスト/右のカードのイラストが2期)
ブルーバージョンの発売日は1996年の10月15日であり、ポケモン赤緑の発売日の1996年2月27日よりも約7ヶ月も後になります。一方、ポケモンカードの第1弾の発売日は、1996年の10月20日です。当初からゲームの開発と同時に旧裏のポケモンカードの開発も行われていた事は「ポケモンカードゲーム アートコレクション2016」の書籍の中においての有田さんの談話で語られておりました。その為、第1弾の旧裏ポケモンカードには、ブルーバージョンの公式イラストが一切使用されておりません。恐らく、第1弾の開発時の際には、ブルーバージョンの公式絵を採用する事が時間的にも厳しかったのだと思われます。ブルーバージョンの発売日から僅か5日で旧裏の第1弾カードを発売する事が出来た背景には、ゲームの開発と同時にプロジェクトを進めており、新たな公式絵などを採用する暇がなかった。また、10月の発売に合わせて8月頃から既にカードの印刷が始まっていたからであると考えます。この事からも、最古のポケモンカードは旧裏であると考えます。併せて、トップ製菓さんのポケモンカードガムにブルーバージョンの公式絵を使用して発売する事は、ポケモンのブルーバージョンが発表され、旧裏が発売される極短期間で行わなければならない事になります。一般的に市場へ新たな商品を発売する際には、どんなに早くても半年以上はかかると考えます。その為、ブルーバージョンの発売が決まり、新たな公式絵を1996年の5.6月に入手したとしても、そこからカードガムを10月20日までに製造するには、時間的にもかなり厳しいのではないかと思います。(恐らくパッケージに1995年の文字がある為、最古のポケモンカード説が唱えられたのかもしれません。)
ただし、これまでの考察は、私の完全な推理である為、真相は分かりません。真相を知る為には、当時のコロコロコミックや小売店に配布していたカタログなどを読み漁るしかありません。
(バンプレストさんのアミューズメント景品カタログの一部)
トップ製菓さんのカードガム発売時の同時期に、数多くのポケモン関連商品を市場に出していたバンプレストさんなどのカタログと比較しても、トップ製菓さんの食玩の情報は露出が極めて低く今でも謎が多いです。
トップサンのポケモンカードは、海外からの注目度も高く、今後も国内での入手が難しくなる事は間違いないです。海外に流出した場合、ほぼ日本国内には戻ってこないです。店頭にて見かけた際には、手に取りますが、ちょっと最近の高額な値段では、一昔前の様に手軽に買える代物ではなくなりました。